- おうち英語、何から始めるべき?
- 子どもの英語学習にはフォニックスが重要って聞いたことはあるけど、具体的にどうやって教える?
- ネイティブの子どもたちがどうやって読み書きを習得するのか知りたい
こんにちは!
早速ですが、みなさんは「フォニックス(phonics)」というのを聞いたことはありますか?
フォニックスは、ネイティブの子どもたちが必ず学校で学ぶものですが、日本人にはあまり馴染みのないものですよね。
親である私たち世代はそもそもフォニックスから入っていないので、
子どもの英語教育にはフォニックスが大切と言われても
そもそもフォニックスって何?
どうやって教えたらいいの…??
と困っている方は多いはず。
私はアメリカで子育てをしていますが、当初はフォニックスがどういうもので、なぜ子どもの英語学習で大切なのか全然わかっていませんでした。
しかし、プリスクールの参観やコロナ禍のオンライン授業を見てきて
なるほど、これは子どもに必要!!
と、フォニックスの重要性に気がつきました。
ネイティブの子どもたちがどうやってこのフォニックスを身につけていくかを知ると、これを身につけずして英語を学ぶというのは何だか変な気さえしてしまいます。
かんたんに言うと、日本語を学ぼうとしているのにひらがなの五十音を疎かにするくらい、おかしなことなんです。
ということで本記事では
- フォニックスとは?
- フォニックスを身につけるとどうなる?
- フォニックスを効果的におうち英語に取り入れる方法
以上について、アメリカで子育てしている私が経験も踏まえて詳しくご紹介したいと思います!
そもそも「フォニックス」って何?
「フォニックス」は発音とアルファベットを結びつけるルール
英語は、日本語のひらがなと違って発音とアルファベットが一致しません。
例えば
日本語のひらがなだと「あ」の発音はそのまま「あ」なのに対し
英語の「A」は「ei」ではなく実際の発音は「æ (エとアの間のような発音)」となります。
なので、英語の読み書きができるようになるためには26文字のアルファベットを覚えるだけでは不十分で
同時にアルファベットの実際の発音を覚える必要があるんですね。
この、発音とアルファベットを結びつけるルールのことを「フォニックス(phonics)」といいます。
ネイティブの子たちはこうして身につける
では実際にネイティブの子どもたちがどうやってフォニックスを身につけていくかを簡単にご紹介します。
イメージとしては、日本のひらがなに触れさせていくのとほぼ同じような過程だと想像するとわかりやすいと思います♪
就学前(0歳〜3歳)
プリスクールに通う前の子ども(未就学児)は、まずはアルファベットに慣れ親しむところからスタートします。
ここではフォニックスはまだあまり意識せず、それよりもアルファベット自体を覚えることに重きが置かれます。
具体的には、アルファベットの絵本を読んだり、アルファベットのおもちゃなどで遊んだりします。
アルファベット絵本の定番『Chika Chika Boom Boom』は我が家でもよく読みました
munchkinのお風呂で遊べるアルファベットのおもちゃは子どもたちのお気に入りでした
おしゃれでかわいい色もポイントです!
アルファベットのパズルもよく遊んでました。小文字もついているものが断然おすすめ
プリスクール(3〜5歳)
プリスクール(幼稚園)に入学すると、子どもたちはいよいよフォニックスの学習をスタートします。
具体的には、まずは毎日のフォニックスの暗唱です。
スクールにもよると思いますが、息子たちが通っていたプリスクールでは毎朝サークルタイムと呼ばれる朝の会のような時間がありました。
この時間になると、子どもたちは先生を囲んで輪になって座ります。
まずはその日の日付けや曜日、天気など、おそらく日本の幼稚園でも毎日するようなことを確認します。
それが終わると、ここで「フォニックス」の暗唱をしていました。
初めて息子のスクールを見学したときにこの暗唱をみて
「なるほど〜、ネイティブの子どもたちはこんなことをやっているのか〜」
と感心しちゃいました。
日本語はひらがなの文字と音が一致しているので、つい英語についても五十音を覚える感覚で「アルファベットさえ歌で覚えればいいよね」と思っちゃうかもしれませんが、そうではなかったんですね。
英語の場合は、文字と発音のルールであるフォニックスを習得してはじめて読み書きの準備が整うんです。
キンダー〜小学1年生(5〜7歳)
アメリカでは、日本の年長さんにあたる年から小学校併設のキンダーガーテンに通います。(併設じゃないところもあります)
キンダーは小学校生活に馴染むための準備の1年間で、こちらでは小学0年生、プレ小学生のような感じで捉えられています。
余談ですが、キンダーは小学校の準備期間とはいえ、毎日がっつり授業があります。(息子の学校は毎日朝8時〜15時までです)
毎日の英語と算数に加えて、副教科のアート、音楽、音楽、体育、コンピュータの授業が日替わりであります。そしてどの教科もシビアに成績がつけられるんです。びっくり…!
ここで、いよいよフォニックスの実践がスタートします。
実際にフォニックスを使って読んだり書いたりのお勉強が始まります。
今までは1文字1音の対応を主に学んできましたが、今度はそれを組み合わせて実際の単語を読んだり書いたりできるようにしていくんですね。
すると、プリスクールで学んできた基本的な1文字1音対応のフォニックスだけでは対応できなくなってきます。
そこで、キンダーから1年生にかけては綴りのバリエーションそれぞれに対応する、発展ルールも新たに学びます。
(これについては後述します)
長男の学習を見ていると、小学1年生でこのフォニックスの勉強が完了したようでした。
フォニックスには例外もある
さて、こうしてネイティブの子どもたちが時間をかけて学んでいくフォニックスですが、これをマスターすれば全ての単語が読み書きできるようになるかといえば、実はそうではありません。
フォニックスのルールに当てはまる英単語は全体の7〜8割とされています。
ということは、残りの2〜3割は当てはまらないということです。
ではどうするかというと、子どもたちはその都度、例外の単語を学んでいくことになります。
例外の単語は、「sight word(サイトワード)」にも含まれています。
アメリカの小学校では、それぞれの学年で必ず覚えるべき単語とされる「sight word(サイトワード)」というのがあって、日本の小学生が漢字を覚えるようにそれを学んでいます。
(※サイトワードについては別記事で詳しくご紹介します)
フォニックスを身につけるとどうなる?そもそも必要?
さて、ここまではフォニックスについて詳しく解説してきましたが
そもそも皆さんにはこんな疑問はありませんか??
フォニックスって本当に必要?
いまいち重要性がわからない…
英会話さえ身につけてくれればそれでいいんだけど…
親である私たちがフォニックスに馴染みがないので、余計にいまいちピンとこないですよね。
でも断言します。
子どもは、フォニックスは絶対に学ぶべきです。
なんなら、大人が今からフォニックスを学んでも価値はあると思いますが、ここではなぜ子どもがフォニックスを学ぶことに意味があるのかを詳しく解説していきます。
フォニックスで正しい発音が身につく
フォニックスは読み書きをするためのルール、というと、そもそも英会話には必要ないんじゃないの??
と思われるかもしれません。
でも実際は英会話力アップにもなるんです。
それは、フォニックスを学ぶことで正しい発音が身につくからです。
日本人には馴染みのある英語の発音記号ですが、実はネイティブはそれをほとんど使わないってご存知ですか?
その代わりに、発音が難しい単語にはフォニックスの発音に従った綴りがついていることがあったりします。(子ども向けの絵本によくあります)
フォニックスはひとつひとつの正しい発音も一緒に身につくので、実は英会話にも役立つんです。
かんたんな英会話のその先の可能性が広がる
日本で子どもの英語教育というと、英会話がメインのイメージが強いんじゃないかなと思います。
もちろん、まずは英語をたくさん聞いてインプットして、発話するのが英会話の第一歩であることは間違いありません。
でも、そこで止まってしまうのは本当にもったいないです。
かんたんな日常会話ができる程度の英語では、残念ながら武器にはならないです。
むしろ本番はその先で、英語できちんと読み書きができて、論理的な内容を理解したり会話したりできてはじめて強みになりますよね。
そのためにはやっぱり、読み書きの基本であるフォニックスは絶対に必要だと思います。
そして、おうち英語では英語の読み書きを見据えた学習をするべきだと思います。
もちろん、私たち大人がやってきたようなフォニックスを使わない英語の学び方もありますが、
その結果どんな苦労をしたか…皆さんはよくご存知ですよね。
単語の発音がすぐに推測できないと、結果的に使える単語にはならないんです。
そして実際の発音はできない状態でいくら長文の読解をやっても、それは単に暗号読解をしているようなものですよね。
読み書きの習得と同時に、それを使える英語にするためにはやっぱりフォニックスは必要だと私は思います。
フォニックスを身につけた子どもはどうなるか
ここからは主に、現在アメリカの現地校小学2年生の長男の話になります。
長男はアメリカ生まれですが、日本語環境の家庭で育っているのでつい最近まで圧倒的に英語が弱い状態でした。
そんな長男が覚醒したのは小学1年生の時でした。
彼いわく、あるとき急に「なるほど、全部わかった!」と思う瞬間があったんだそうです。
読み書きのルールであるフォニックスを一通り網羅して、それが自由に使いこなせることに感動したようでした。
それからの長男の伸びっぷりは目を見張るものがありました。
まず、リーディングとライティングの成績がみるみる上がりました。(日本の国語のような教科ですね)
リーディングに至っては、2年生進級時点ですでに5年生のレベルに達していると担任の先生に言われて驚きました。
そして気づけば、細かい発音の間違いがなくなっていました。(長男はときどきthとfの発音を混同したり、ほかにも細かい発音の混同をよくしていました)
私は毎日英語の絵本の読み聞かせをしていますが、その頃から長男に発音のミスをよく指摘されるようになりました。
その指摘の仕方が新鮮で
(フォニックスのルールだと)ここはこうだからこういう発音になるよ!
みたいな、ものすごく論理的な指摘だったんです…!
フォニックスをしっかり叩き込むとこんなことになるのか!と、フォニックスをやってこなかった私としては衝撃と同時に感心するばかりでした。
ちなみに長男は現在も英語はネイティブレベルではないので、学校ではESL(英語が母国語でない子のための特別補習プログラム)に参加しています。
そんな英語にハンデがあるはずの息子でも、しっかりとフォニックスを身につけさえすれば読み書きはネイティブの子たちを超えることができるというのは、ある意味驚きでしたし希望でもあるなと思いました。
フォニックスを身につければ、どんどん自分で読み書きのレベルを上げることが可能
もちろん正しい発音も身につく
おうち英語のひとつめの目標って、個人的にはフォニックス習得なんじゃないのかな?と思います。
それが身についていれば、読み書きはネイティブの子を超えることだって不可能じゃないと思います。
それから正しい発音が丁寧に身についていくという印象です。耳から覚えてきた発音が、フォニックスを学ぶことできちんと整理されていくんだなと、子どもを見ていて感じましたね。
フォニックスを効果的におうち英語に取り入れる方法
それでは実際にフォニックスをおうちで教えるにはどうしたらいいか?
我が家の経験を交えてご紹介します。
実は次男は、コロナ禍でプリスクールが休校となってしまい、4〜5歳の1年半を自宅で過ごしました(^_^;)
長男を見ていてフォニックスがいかに大切かはよく分かっていたので、私が家でフォニックスを教えることにしました。
家で教えるといっても、そんなに難しいことをしたわけではありません。
日本にいても、親がフォニックスを知らなくてもできるかんたんな方法をこれからご紹介しようと思います!
①1日1回の暗唱
プリスクールで毎朝やっていたのを真似て、我が家でも1日1回のフォニックスの暗唱を実践しました。
次男は歌のバージョンが気に入っていたのでYoutubeの以下の動画をよく見せていました。
(※フォニックスは最初の4分弱です)
②フォニックス教材(DVD)をみせる
暗唱では1文字1音対応の基本のみを覚えるので、発展としてフォニックス教材のDVDをみせていました。
今は優秀な教材が簡単に手に入るから便利ですよね♪
私は以下のふたつを使っていました。
海外のDVDを再生するにはリージョンフリーのDVDプレイヤーが必要ですが、
これを持っているとインポートのDVDなどでも気にせず購入できるのでおすすめです。
おうち英語には使えるので、持っていて損はないですよ♪
Leap Frogは、アメリカの知育系の電子おもちゃなどで有名なメーカーです。
(おもちゃも優秀なものばかりなのでおすすめです)
これは簡単なフォニックスだけでなく単語の読み方、それから数字、形などの教育系DVDが10枚セットになったものですが、子どもが飽きずに何度も見ていたDVDです。
アメリカでの評価が高いのも納得の、とにかく楽しい内容です。対象年齢は3〜6歳くらいだと思います。
私のイチオシです♪
こちらはフォニックスの基本から発展まで、かなり細かいところまで学べるDVD3枚セットです。
これは小学生以降まで長く使えるような内容だなという印象で、長男も一緒に観ていました。
大人の私が観ても興味深いフォニックスのルールがわかりやすく教えられています。
親はフォニックスがわからなくても、こうしてDVDを使って子どもに教えられるのは本当に助かりました♪
③ワークブックで読み書きの実践
覚えたフォニックスはぜひ、読み書きで実践してみてください。
長男のプリスクールでは1年かけて分厚いワークブックを解いていたので、次男にも同じように家でワークブックを解かせていました。
3〜5歳におすすめ
こちらはフォニックスに特化したものではなくて、幼稚園児レベルのいろいろなお勉強ができるワークブックです。
アルファベットやフォニックス、数字、色や形など…なんと320ページというボリュームです。(しかもフルカラーです)
お勉強といっても、色を塗ったり迷路をしたりと子どもでも楽しく学べる内容になっています。
これは実際に長男のプリスクールでも使っていたもので、アメリカの定番ワークブックのようです。
迷ったらこちらがおすすめです。(長男も次男も楽しく解いていました)
5歳〜小学生におすすめ
こちらはBIG PRESCHOOLと同シリーズのキンダー(年長)向けのワークブックです。
プリスクール向けに比べて、フォニックスにしてももうちょっと高度な問題になっていますので、5歳〜小学校低学年くらいが丁度いいかなと思います。
こちらも320ページと大ボリュームでフルカラーです。
小学校低学年におすすめ
アメリカでは1年生まででフォニックスのお勉強をひととおり終えるのを考えると、こちらの1年生向けワークブックまできちんとできれば言うことなしですね。
こちらは我が家は使いませんでしたが、圧倒的なレビュー数と高評価をみてもいい教材だと思いますよ♪
フォニックスだけのワークブックならこれ
こちらはフォニックスに特化したワークブックです。
ボリュームは95ページと、さきの3冊に比べると少ないので挫折せずに短期間で達成できると思います。
ただフォニックスについては内容はどのワークブックも似たようなものですので、年齢やレベル、お子さんの性格、好みに合わせて選ぶのがいいと思います♪
④音読で発音の実践
音読は、読むのと同時に発音の練習にもなるのでぜひやってみてください。
おすすめは、読み聞かせなどで何度も読んだことがあるような簡単な絵本です。
内容を知っている絵本を今度は自分の力で読むというのは、まったく初めての絵本を読むのに比べてハードルも低くて子どもにとってもストレスなく挑戦できるようでした。
中でも我が家ではAn Elephant & Piggie Bookシリーズが子どもたちに人気でした。
簡単な絵本の音読から慣れていって、少しずつステップアップしてみてください。
もしサポートする親もフォニックスの知識をつけると、音読のときに手助けができます。
⑤(興味があれば)親もフォニックスを一緒に学ぶ
フォニックスを学ぶ、といってもそんなに難しいことじゃないのでご安心ください(笑)
今まで発音していた単語を、1文字ずつ解体して、それぞれフォニックスのルールにしたがいながら続けて発音するとこうなるのね、というのを改めて確認するような作業です。
この2冊は、フォニックスとはどういうもので、どうやって教えたらいいかがとても丁寧に解説されています。
一緒に親子で英語を学びたいと考えている人にはぜひおすすめしたい本です。
大人もフォニックスを知っていると役立つのは間違いないです♪
まとめ
本記事では
- フォニックスとは?
- フォニックスを身につけるとどうなる?
- フォニックスを効果的におうち英語に取り入れる方法
以上について、私の経験を交えて詳しくご紹介しました。
子どもの英語学習にはフォニックスはとっても大事な知識なので、ぜひこの機会にフォニックスの学習を取り入れてみてくださいね!
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